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旅するようにキャリアを歩む。元受付嬢・1児の母のCEOが語る、新しい時代の「活躍」と「働き方」とは

LIBZ タレントサーチ」と「LIBZ エキスパート」を活用し、13名もの優秀人材を採用している株式会社RECEPTIONIST。フレックスやリモートなど、柔軟な働き方を積極的に取り入れ、従業員一人ひとりが自分らしく活躍できるように環境を整えています。沖縄に移住をした方が「LIBZ エキスパート」でフルリモートの業務委託としてジョインし、活躍をして社員登用されるなど、生き方を大事にしながらキャリアを叶える事例も生まれています。 今回は、エントリー受付を開始した「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2022」を踏まえ、柔軟な働き方を推進している背景やこれからの時代の女性活躍推進について、「受付嬢」として働いた11年間の経験を活かして起業したCEOの橋本氏にお話を聞きました。

株式会社RECEPTIONIST 代表取締役CEO 橋本 真里子 氏
PROFILE
株式会社RECEPTIONIST 代表取締役CEO 橋本 真里子 氏
2005年6月にトランスコスモス株式会社の受付として従事。その後、株式会社USEN、株式会社ミクシィ、GMOインターネット株式会社など大手企業にて受付リーダーとして組織運営、人材育成などを担当。1日平均500人、月間10,000人、延べ120万人もの接客経験を通して確立した独自のノウハウを活かし、2016年1月にディライテッド株式会社(現・株式会社RECEPTIONIST)を設立し、翌2017年には“受付から内線を無くすと、来客応対はもっと快適に”をコンセプトに作られたクラウド受付システム“RECEPTIONIST(レセプショニスト)”をリリース。1児の母。

「LIBZ」経由で13名が入社し、男女比率が逆転

ー LiBのサービスを導入いただいた経緯を教えていただけますか?

橋本:LiBはもともと、ベンチャーキャピタルの佐藤真希子さん(LiBの社外取締役)のつながりで存じ上げていました。女性特化の採用媒体という印象でしたが、リブランディングを経てより多様な優秀人材に出会えるサービスへと進化していると聞いて、採用のご相談をさせていただいたのです。なかなか自社に合う人材に出会えず苦労していた時期だったのですが、次々と素敵な方をご紹介してくださったおかげで、正社員・業務委託を含めて13名の方がLIBZ経由でジョイン。それぞれのポジションでとても活躍してくださっています。

ー 従業員の男女比率にも影響があったとお聞きしています。

橋本:そうですね。特に「女性を多く採用したい」という意図はなかったのですが、女性が多かったため男女比率が逆転しました。スタートアップ業界は男性が多いというイメージもある中で、男女問わず活躍できる会社であるということは誇らしいですね

社員の性別やライフステージが多様であることは、採用においても大きなアピールポイントになります。プロダクトを自社開発しているITスタートアップは男性が多い傾向にありますが、RECEPTIONISTでは女性社員・パパママ社員も多く活躍しています。そのことが従業員はもちろん、選考を受けてくださる方の安心感にもつながっていると思います。

ー 働き方や制度の面でも変化はありましたか?

橋本:女性に限らず、子どもを持つ社員も増えてきたので、安心して働き続けていただくための福利厚生などは充実していっていますね。例えばベビーシッターの利用補助は、コロナによる保育園の休園などの非常時はもちろん、日常的に利用してくださる方もいます。

また、今まさに検討中なのですが、いつか子どもを持つかもしれない女性社員のために、AMH検査(卵巣の状態をチェックする検査)の費用補助を導入したいと考えています。女性はライフイベントによって体の変化が伴うことも多いので、キャリアを考える際にまず自分の体の状態を知っておく必要があると思っているのですが、費用が高いとなかなか手が出せないものです。そこを会社が補助することで、女性の長期的なキャリア形成を応援したいと考えています。

 

リモートは「自分に最適な働き方」を自ら考えるきっかけに

ー LiBの調査では、「時間と場所にとらわれない働き方の推進」が「性差なき活躍」につながるという結果が出ています。RECEPTIONIST様では、働き方についてどのような取り組みをされていますか?

橋本:まず、皆さんができるだけ「会社が決めた時間」にとらわれずに働けるように、創業時からフレックス制を取り入れていました。また、エンジニアやデザイナーなどクリエイティブ職のメンバーはコロナ以前からリモートワークを実施していたので、コロナ禍を機にビジネスサイドのメンバーにも広げていきました。

リモートワークをやってみて良かった点は、「自分に最適な働き方」を自ら見つけにいくきっかけができたことですオフィス出社が前提だと、その中でどうパフォーマンスを出すかという考えに限られてしまいますよね。でも「場所の制約」からの解放は多くの人にとって、自分が最もパフォーマンスの上がる働き方を考える転機となったのではないでしょうか。今は働く場所に関する規制は全くなく、好みのスタイルを各々が自由に選択しています。従業員は40名ほどですが、その半分がフルリモートで、もう半分がハイブリッドですね。

ー リモートワーク環境下で、何か工夫をしていることはありますか?

橋本:離れていても活発なコミュニケーションができるように、Slackの使い方を全社的に見直して、どこにいても平等に情報をキャッチできるようにしました乱立しがちなチャンネルを整理したり、スタンプをたくさん作って気軽にリアクションできるようにしたり。また、ちょっと会話したい…という時には「ハドル」という機能を使っています。

例えばフルリモートで働いているCTOは、ハドルを立ち上げておく時間を作っていて、誰でも自由に出入りして話しかけられるような工夫をしています。主にセールスメンバーとのコミュニケーションに有効活用しているようです。「いつでも話しかけていいよ」というオープンな姿勢が皆さんの安心感にもつながるので、とても良いですよね。

ー 「柔軟な働き方」を推進している背景には、どんな想いがありますか?

橋本:私自身が「受付嬢」としてのキャリアが長かったのですが、それはまさに「時間と場所の制約」がある仕事でした。働いていた当時は違和感はありませんでしたが、いざ離れてから振り返ってみると、全く柔軟性のない働き方だったなと思いました。

だからこそ、従業員の皆さんにはなるべく自由に働いてほしいと考えたのです。自分自身がずっと制約の中で仕事をしてきたからこそ、人は自由度が高いことによってパフォーマンスを上げられる部分があるということが、逆によくわかるんですよね特に私たちの事業や業務では、時間と場所を縛る合理的な理由が全くありません。業務ごとに適したワークスペースもあると思うので、それぞれに合ったスタイルを自由に選んでほしいのです。

また、特にスタートアップは、いかに少ないリソースでパフォーマンスを最大化させるかを考えなければなりません。そのためにも働き方の自由度は高い方が効果的なのです。

ー まだまだ新しい働き方が進まない企業も多いのが実情ですが、まず何から取り組むべきだと思いますか?

橋本:つい「やるべきこと」を考えがちですが、本当は「やらなくていいこと」を考えるのが大事なのではないでしょうか。「やらなくていいこと」をやっていると誰でもモチベーションが下がります。でも習慣でなんとなくやり続けていることって、けっこうあるんですよね。働き方の変化はそれを見直す良いきっかけだと思うんです。

だから、もしリモート下でマネジメントが大変になったと感じているのなら、まずは「やらなくていいこと」を見つけにいくのがおすすめです「この仕事をやる意味」をお互い認識した上で、本人がやりがいを持って取り組んでいるのであれば、あとは成果やアウトプットで評価するのみ。そうなればどんなに働き方が変化していっても、良いコミュニケーションが続けられるのではないかと思います。働き方そのものよりも、もっと根本的な「仕事との向き合い方」を見直すことがポイントですね。

 

キャリアは旅のようなもの。遠慮せず、決めつけすぎずに進んでほしい

ー では、ジェンダーギャップについてはどうお考えですか?

橋本:
そもそも受付嬢という女性だけの世界に長くいたので、逆に「自分が女性だから」という意識をせずにやってきたんですよね。だからこのテーマにはあまり敏感な方ではないんです。

その上で思うのは、「早くこういうテーマ自体がなくなる時が来てほしいな」ということです。男女が完全に「同じ」になるのは難しいですし、だからといって違いを妙に意識することにも違和感があります。それぞれの得意分野や能力を自然に活かして活躍できる社会になればいいですよね。

ー プロダクトリリースの時期と、ご自身の出産が重なったというエピソードもうかがっています。橋本様ご自身は、そういった「女性ならではの苦労」をしたことはありましたか?

橋本:たしかに女性ならではの出来事は多いですが、それは逆に言えば「女性にしかできない経験」です例えば夫を見ていると、私よりも仕事にかけれる時間は圧倒的に多く、うらやましいと思うこともありますが、一方で私は妊娠・出産・育児を経験して、それが経営者としての人格にも大きな影響を与えています。男性はできない経験や得られない価値観を自分は持っている。そう考えるとすごくラッキーじゃないですか?さまざまな変化をどのように捉えるかは、結局は自分次第だと思っています。

特に、子どもを持って初めて得られた視点は本当に大きくて。一言で「社会」と言っても、自分の会社や事業を通して見えている「社会」はごく一部の世界なんだということに気づかされました。仕事ばかりしていると人間関係も限られてしまいがちですが、子どもを通したコミュニティでは本当に多様な方々と出会えるので、「社会」の新しい一面を知ることができます。

また、子どもたちが集まって遊んでいるのを見ると、「この子たちが大人になる頃にワクワクできる何かを残さなきゃいけないなぁ」なんて思うんです(笑)。もっと未来に貢献しよう、頑張ろう、と思わせてくれますね。

ー 働き方がどんどん柔軟になり、「性差なき活躍」の土壌が整ってきた今、女性はこれからどのようにキャリアに向き合えばよいでしょうか?

橋本:
「遠慮をしないでほしい」と思います。やりたいことに対して貪欲になって、諦めずになんでもやってみて、失敗してもあとからどうにでもなる!というマインドが大事かなと。頭でっかちに先々のことを考えて石橋を叩いて渡るのは、もったいないですからね。

私は、キャリアは「旅行と同じようなもの」だと思っているんですプランをしっかり決めすぎてしまうと、自由度が下がって制約が多くなります。綿密に計画していたばかりに、思った結果にならないとそれを「失敗」のように感じてしまう…みたいなことがあるんじゃないかと思っていて。

でも、タイムスケジュールに縛られすぎて、目の前の景色を楽しめないのは本末転倒です。目的はスケジュールをこなすことではなくて、「これは絶対に満喫したい」というものがあったから旅に出たはず。そのためには必ずしもプランに則ることが正解ではないんです。ゆるくプランニングした旅行は精神的にもリラックスできて、ハプニングすらも楽しめるじゃないですか。私は、キャリアもそういう感じなんじゃないかと思っています。

だからキャリアに迷っている方には、「将来を悲観して一生懸命プランニングするよりも、まずは目の前のやるべきことを大事にしたほうがいい」とお話ししています。逆に言うと、それができない人はどんなプランを描いたとしても実現性は低いのではないのでしょうか。やるべきことに必死に向き合っているうちに自然と前向きになれますし、旅行と同じで、ハプニングすらも楽しめるようになると思いますね。

 

制度は整えるだけではなく、「気持ち」が通っているかどうかが大事

ー では一方で企業は、これからの時代の女性活躍をどう考えるべきだと思いますか?

橋本:個人的には、「女性活躍」なんて言葉が早くなくなればいいのになぁと思っています。仮に女性を多く採用したとしても、その人たちに能力が足りなければお互いハッピーではない結果になります。性別ではなく、シンプルに能力で判断するべきなんですよね。

なぜ私がこう主張するかというと、当社の女性メンバーが皆、本当に優秀だからです。ですから意図的に「活躍を推進」しなくても、活躍の結果として然るべきポジションや意思決定の場に上がってくれると思っています。もちろん女性の私が創業者ですし、経営の意思決定の場に必ず一人は女性がいるという状況は、他のスタートアップと比較すると強みかもしれませんが、変に性別を意識しているということは全くありません。

働く時間や場所を自由にしたり、制度を作って環境を整えていくことは重要です。でも、形だけの制度として「女性だけ」を引き上げたりするのは少し違和感がありますね。私は、人事制度は背景にある「気持ち」が大事だと考えています。「こんな活躍をしてほしいからこそ、こういう制度を使ってもらいたい」と、提供する側が心から思っているかどうかそれを自問自答しながら制度設計するとよいのではないでしょうか。

会社は、活躍してくれる個人の集合体です。だから「制度を整えて終わり」ではなく、その制度を作った目的が一人ひとりのためになっているかどうか、そして会社全体のポリシーと合っているかどうか、という確認作業をしていくと、その会社らしい活躍推進ができると思います。

 

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インタビュー・ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)
撮影:岡田 麻未(株式会社LiB)

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