新しい仕事のカタチで事業と組織をアップデートする

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新規事業立ち上げを支えてくれた、リモート×業務委託メンバー。プロが柔軟に活躍する、ピクシブ 教育事業部の事例

世界最大級の創作プラットフォーム「pixiv」を運営するピクシブでは、未来のイラストレーターを育成する教育事業を展開しています。その代表的な取り組みは、京都芸術大学と提携したイラストレーションコースの提供。2023年12月時点で、学生3,500名超の教育に取り組んでいます。

 

今回お話をうかがったのは、そんな教育事業を立ち上げた執行役員の東根氏。これまでのピクシブとは違う要件でメンバーを探す必要があったときに、リモート×業務委託の「LIBZ エキスパート」の存在を知り、すぐに利用スタート。その結果、新規事業はうまく軌道に乗り、今では多くのメンバーが教育事業部で活躍。上手な関係性の築き方や、導入のメリットを語ってもらいました。

ピクシブ株式会社 執行役員 東根 哲章 氏
PROFILE
ピクシブ株式会社 執行役員 東根 哲章 氏
東京大学を卒業後、2002年電通に入社。テレビやデジタル広告の企画やメディアプランニングに従事。2016年11月よりピクシブ株式会社執行役員に就任。現在はカルチャー&エデュケーション事業部にて未来のイラストレーターを育成するための教育事業やイラストをドメインとしたアート事業を統括している。

これまでの要件と異なる人材を探す必要があった

ー LIBZ エキスパートの活用を検討した経緯を教えてください。

サービスについて知ったのは、学生時代からの知り合いであるLiB代表の松本さんのFacebook投稿がきっかけでした。ちょうど自分が統括する教育事業を立ち上げた頃で、これまでのピクシブの採用要件とは異なるタイプの人材を欲しているときでした。

教育事業では、大学と連携してイラストレーションのオンラインコースを展開し、未来のクリエイターを育成しています。これまでのピクシブが得意とするようなWebサービス開発よりも、コンテンツやコミュニケーションが肝となる事業です。そうなると同じ「ピクシブのビジネス職」でも、求める人物像がまったく異なってくるわけです。立ち上げた事業を前に進めるためには、これまでにいなかったタイプの方を採用していく必要がありました。

そんなときに、リモート×業務委託でプロフェッショナルな方を迎えることのできる「LIBZ エキスパート」の存在を知りました。いきなり新しいタイプの方を正社員として採用するリスクや、募集から入社までのリードタイムなどを鑑みると、「LIBZ エキスパート」はそれらの懸念を払拭できるサービスなのでは…と直感的に思いました。そしてよくよく調べてみると既にピクシブの他の部署で導入していて、聞けば評判も良い。これはすぐにでもお願いしたい!と思い、導入を決めさせていただきました。

ー 新しい試みにおいて、正社員採用よりもハードルが低かったわけですね。

正社員採用ももちろん必要で大事なのですが、正社員となるとどうしても、会社へのカルチャーフィットやスキルレベル、経験年数などより多くの要素を慎重に検討しなければなりません。

また、採用難易度も高くなります。当社はWebサービスの事業会社なので、エンジニアからの認知は高く、IT業界の中での選択肢としては強い方だと思います。一方でビジネス職の場合は、商社や金融などあらゆる選択肢の中から選ばれる必要があり、採用のハードルが上がってきます。

さらに、働き方の問題もありました。当時は正社員は日々リモート勤務していても、何かあればオフィスに出社できる場所にいることが要件でした。そうなると、東京近郊の人しか採用できません。地方に優秀かつピッタリな方がいても、正社員採用だと条件としてNGになってしまうわけです。だからリモート×業務委託という仕組みは非常にフィットしていました。

ちょうどタイミングとしても、コロナ禍が長引き、企業が働き方に対する考えを変えていかなければならない時期でした。そしてそういう状況の中で、私たちのオンライン教育事業も成長してきました。だからこそ「LIBZ エキスパート」はぴったりハマったのだと思います。

 

お互いすり合わせながら、柔軟に活躍してもらう

ー 実際に利用し始めてみて、いかがでしたか?

スポットでフリーランスの方に仕事をお願いするのはこれまでも経験がありましたが、フルタイムでチームに入ってもらうというのは初めての試みだったので最初は不安もありました。特に立ち上げの時期は教育機関での就業経験を重視していたので、そういった方がIT企業の仕事の進め方に馴染めるものなのか、読めない部分もありました。

しかしそんな不安は杞憂に終わり、立ち上げ期に入ってもらった2名の方はとても柔軟に活躍してくれました。実際に業務に入ってもらってから、よりご本人に向いている業務をお任せしていったり、お互いすり合わせしながらより良いカタチを探っていき、今では事業部に欠かせないメンバーになっていただいています。

この柔軟性は、必ずしも「固定の業務」に縛られることのない「LIBZ エキスパート」ならではだと思います。もちろん、なんでもかんでもお願いするわけではないですし、頻繁に異動していただくことはありません。その方が最も価値を発揮できそうなところを一緒に探っていくことが大事だと考えています。

ー お互いにしっかりすり合わせて決めていくのですね。

最初はどう進めるべきか迷うこともありました。決まったことを淡々とお願いするべきなのか、こちらからどんどん任せるべきなのか、どっちがよいのだろう…と。結局、どちらがやりやすいかは人によるので、業務を通して会話しながらすり合わせていきました。

あとは、誰もが受け取りやすい形で仕事を渡せるようにしたり、オンボーディング資料を充実させたりして、できるだけ業務委託の方がチーム内で働きやすくなるように工夫をしました。その結果、我々社員も仕事がしやすくなったので、副次的なメリットでしたね。

 

プロフェッショナルな仕事ぶりと、安心のオンラインスキル

ー 皆さまの働きぶりも教えてください。

LIBZ エキスパート会員の方は、もともとはビジネスの最前線でご活躍されてきた方々も多い印象です。私の事業部に来てもらっている12名の方も、ビジネスパーソンとしてのプロ意識が高く、自走してくれる方ばかりです。

多くの仕事をスピーディかつ器用にこなしてくれるので、まさにプロフェッショナルという感じです。メンタル面も安定していて、突発的なことにも動じずにサラッと対応していただけました。そういう方が1人いるだけで、チームの成長速度が落ちないんですよね。特に立ち上げ期に入ってくれた最初の2名の方にはたくさん救われました。

また、思った以上に事業に愛着を持って働いてもらえているのもうれしく思っています。もともとピクシブについてあまりよく知らない状態で入ってきた人が、一緒に仕事をしていく中でサービスや事業に興味を持って、自らサービスを使ってくれて「もっとこういう風にしたらよさそうですね」と提案してくれたりするのが非常にうれしいのです。

正社員採用の場合、ある程度興味を持っている方が応募してくることがほとんどですが、業務委託の場合はスキルや働き方のマッチングが入口なので、必ずしも会社やサービスに興味を持っているわけではないこともあります。それが逆に、新しい視点を得る機会にもなるのです。

また、最近は皆さん、オンライン慣れしていますよね。Googleのアプリケーションはだいたい使いこなせるほか、SlackやZoomの使い方も知っていることが多いので助かります。入ってから教えて慣れていただくのは大変ですからね。

特に教育業界の経験者の場合、オフラインでの職場経験がメインになりがちです。そこでのスピード感やコミュニケーションのお作法は、IT業界のそれとは大きく異なります。人に合わせて言い方を変えるなど近くの5~10人と上手にコミュニケーションを取る力と、遠くの数十人~数百人を相手にスピード感を持って誰にでもわかりやすい表現で不公平がないように伝える力とでは、同じ「コミュニケーション能力」でも全然違います。オンラインで活躍するためには後者の力がマストなので、そのあたりは面談ですり合わせるようにしています。

ー チームの皆さんとのコミュニケーションはいかがですか?

毎朝のちょっとした朝会や、オンラインの雑談会をチームごとにやったりして、コミュニケーションの機会を設けています。自己紹介のプレゼンをしてもらって、共通の趣味や好きなものを見つけて雑談して、チームに溶け込みやすくなるように工夫をしています。

また、業務初日のパソコンの受け渡しは郵送対応もできますが、ご本人の希望があればオフィスに出社していただいています。対面で会社説明やオリエンテーションをして、翌日からはフルリモートという形にしています。

さらに、交通費を会社負担して、オフラインで集まるイベントも実施しました。海外在住の方はさすがに無理でしたが(笑)、関東以外の方も来てくれましたよ。先日は、プライベートで東京に来たついでにオフィスに立ち寄ってくれた方もいました。顔を出そうと思ってくれることがうれしいですし、対面でのコミュニケーションの機会があるとお互い安心もできますよね。

 

マネジメントコストが少ないから、チームの価値最大化に集中できる

ー その他、導入のメリットを教えてください。

とにかくマネジメントコストが少ないのが助かっています。もちろん必要なケアはしますが、コンディション管理などはLiBさんが間に入ってくれているので、お互い安心感を持って業務に集中できていると思います。

さらに、稼働管理・報酬管理などの総務・経理関連もすべてLiBさんにお願いできるのは非常に大きなメリットです。私の事業部では12名の方に入っていただいているので、その全員分の総務・経理対応は、おそらく私1人でやると軽く1時間以上かかってしまうと思います。そこをまるっとお任せできて、請求書1本でやりとりしてくださるので、私だけでなく社内管理部門の負担も抑えられます。そこは本当にありがたいですね。

ー ご発注のしかたも上手だとうかがっています。ふわっとしたニーズからのご相談いただける、と。

やはり最初に来てくれた2名がすごくよかったので、信頼感を持って相談しやすいんですよね。その後何名か試していくうちに、誰に何をお願いするか、こちらも試行錯誤を繰り返してきました。それを経て、業務委託の方にどこまで頼んでいいのか、何をお願いするとうまくいくか、という解像度が上がってきました。

だから、バシッと要件を決めすぎないで、現場のニーズから相談するようにしています。現場の課題と会社の採用方針は必ずしも一致しませんし、それは仕方のないことです。足りていないのがAだと思っていたけど、実はBを足せば、Aは既存メンバーに任せられる…というケースもよくあります。人もチームも成長していくので、必要なピースはどんどん変化します。どこにリソースを割くべきか、どのスキルが足りていないのかも変わっていきます。それをこまめにアップデートしてLiBさんに相談するようにしていますね。

「決めすぎない」というのは、個人の成長にもつながると思っています。業務委託のメンバーとはいえ、お互いが成長していくことが理想です。だから意欲のある方にはどんどん任せていきたいと考えています。スキルが上がればチームへの貢献度も上がり、よりWin-Winの関係になって、チームのパフォーマンスを最大化することができます。「教育」というほどのことはできていませんが、その方の志向性や得意・不得意を見ながら、要件や業務の枠にとらわれず、柔軟に役割を広げていってもらおうと思っています。

 

「スキルはあるのに働けない」を解決する仕組み

ーでは最後に、試行錯誤しながら採用活動に取り組んでいる企業へメッセージをお願いいたします。

コロナ禍を経て働き方がどんどん多様化していく中で、「スキルはあるけど(都心への)出社は難しい、でも仕事はしたい」という個人のニーズが浮かび上がってきたと思います。企業も新しい働き方への対応が求められる中で、こういったニーズをキャッチし、リモートワークを活用してチームにうまく入ってもらい、事業成長促進の新たな一手にしてみるのはいかがでしょうか。「LIBZ エキスパート」は、まさにそれを実現するよい仕組みだと思います。

個人的にも、コロナ以前からこういったニーズはあるのではないか、と考えていました。自分の身近なところでも、すごく優秀な人が家庭の事情でしかたなく田舎に帰って、地元では選択肢が少なく働いているけど楽しめないとか、もともとバリバリ働いていた人がライフイベントによってフルタイムが難しくなり、以前より安い時給でアルバイトをしているとか、そういうケースをたくさん見てきました。

こういう人たちは、その当時は仕組みがなかったために希望通りに働けなかった。でも今、「LIBZ エキスパート」というサービスが仕組みで解決してくれています。リモートワーク×業務委託という働き方が増えてくると、企業にとっても個人にとってもお互い幸せになれるのではないでしょうか。リモートワークが物理的に可能な職場であれば、ぜひ一度試してみるとよいと思います!

 

▼ピクシブ株式会社
https://www.pixiv.co.jp/

インタビュー・ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)

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