目次
量より質で、「ピンポイントで口説く」
ー「 LIBZ」の活用に至った経緯を教えてください。
CaSyは少数精鋭の組織で、事業成長に合わせて人数を増やすという考え方ではありません。一人ひとりの戦闘力が高い状態を求められるので、結果的に一人の業務範囲は広くなります。そこにおもしろさを感じてもらえる方を採用できるかどうかが中途採用の課題でした。
さらに、成長曲線を変える事業成長を実現するため、マーケティング領域に高度な専門性を持ち、かつ背中を預けられる経営幹部の獲得が急務になっていました。別件で以前、LiBさんに軽く相談していたので、話の流れで「LIBZ」でCMO候補を探してみよう、ということに。特に今回は経営幹部の採用なので、私自身のミッションとして直接手を動かしたく、企業情報の記載のコツなども詳しくアドバイスいただきました。
ー どのあたりに関心を持っていただけたのでしょうか?
母集団の質です。候補となりうる人材に、より確実に、よりスピーディにリーチするにはどうすればいいか考えたときに、確率論で量にこだわるよりも、質の高い母集団の中から「ピンポイントで口説く」というスタンスが必須だと考えたのです。
「口説く」ことにおいては、もともと当社は大得意。だからその強みを存分に活かして採用活動を展開するには、とにかくまずは質の高い母集団が必要でした。特に今回はCxOクラス。これまで活用していたダイレクトリクルーティングの母集団よりもさらにレベルの高いレイヤーの方を狙いたかったので、従来と同じやり方では無理だろうと考え、「LIBZ」にチャレンジしてみたのです。
さらにLiBさんには、CaSyと候補者の双方を深く理解し、伴走をしてれる「人」がいるという点も、このサービスへの大きな期待でした。私がご相談していたCSの江成さんをはじめ、顧客のことをちゃんと好きになり、まっすぐ応援しようというスタンスが伝わる方がいらっしゃいます。こういう方がしっかり向き合ってくださる環境なら信頼できる。だったら使ってみよう、と思えたことも決め手の一つでした。
出会う前に価値観の重なり合いを確認できる「キャリアカルテ」
ー 実際に利用開始してみて、いかがでしたか?
まず、使えば使うほど候補者のレコメンドの精度が上がっていくのがおもしろいなと思いました。システム上で送られてくるレコメンドから、立候補(面談のオファー)をする/しないを選び、しない場合はその理由をいくつかの選択肢の中から選んでフィードバックするのですが、そのライトな感じが絶妙にちょうどよくて。忙しい私でも、そのサイクルを難なく回すことができました。そしてそれを繰り返していくうちに、自然とレコメンドの精度が上がってきたように感じました。
すると徐々に、こちら側の見る目も養われていくんですよね。当社の場合、フィット感のあった方々が偶然にも同じ会社出身だったりして、欲しい人物タイプが明確になってくるんです。言語化すると、「Howよりもミッションにフォーカスできる人」「人を巻き込むのが上手な人」「とにかく仕事が好きな人」といったところでしょうか。
特にCxOクラスの場合は、これらを押さえていることがマストでした。ミッションオリエンテッドで、かつ柔軟性や賢さ、鋭さ、魅了性を持ち合わせていて、相反するものをチューニングしていける方。そして今のCaSyで戦闘力を発揮していただくにはやはり、「仕事が好き」というのも重要なポイントです。当社はフルリモート・フルフレックスという働き方ですが、こういった人事制度は性善説がベースになっています。仕事が好きな人にとっては、それらは決して「サボるための抜け穴」ではなく、「働くための自由」になりますからね。
ー そのような人物タイプは、どのあたりから見抜くのでしょうか?
「LIBZ」のキャリアカルテを読むと、すごくよくわかるんです。判断材料となるレジュメが一般的な履歴書や職務経歴書ではないユニークなもので、「なぜその経歴なのか」「なぜその成果が出たのか」という背景や、その方自身の思想が想像しやすい設計になっているのが秀逸だと思っています。
特にハイライトエピソードは、「この人に背中を預けられるか」、つまり、当社にフィットする価値観を持っているのかどうかを見ることができるのでありがたいです。例えば今回採用したCMO候補のKさんは、大事にしている価値観のキーワードとして「王道」「高品質」「深化」と書いていました。前職で大手広告代理店と競合していく中で、つい奇をてらいたくもなるけれど、しっかりと王道を押さえておくことを是としている、という内容でした。
このように書かれていると、どんな人なのかを想像しやすくなりますよね。もちろん、言語化や表現が上手かどうかも関係するかもしれませんが、CxOクラスであればそもそも、ご自身の価値観や強みを言語化できていないと困りますから。
ちなみに、KさんのCaSy入社の決め手は、「経営メンバーの人柄」だと聞いています。彼が仕事を進める上で大切にしていることや、意思決定の際の判断基準などの価値観が一致したことが大きいのではと思っています。これはまさにキャリアカルテによって、実際にお会いする前から価値観の重なり合いを確認したことによって、確度の高いマッチングが実現できた証拠だと思います。
ー ダイレクトリクルーティングなど、他サービスとの違いもお聞きしたいのですが、やはりその点ですか?
そうですね。キャリアカルテがあるからこそ、ある程度の精度の中からじっくり選べるので、ここがダイレクトリクルーティングとの大きな違いだと思います。ダイレクトリクルーティングはやはり確率論を前提にして、量にこだわらなければならないので、それに比べると出会いまでの始まり方がまったく異なりますよね。
「選び・選ばれる」というプロセスにおいて、一番最初から大切に選びにいけるというのは効率もよいですし、その選ぶ観点が「価値観やWillのフィット感」にフォーカスされているところもユニークだと思います。さらに信頼できるコンサルタントの方もいて、いざというときには相談もできる。この、ダイレクトリクルーティングと人材紹介エージェントのいいとこどりな感じが気に入っています。
あくまでも、イニシアティブは候補者にある
ー 立候補承諾後の相互理解面談では、候補者にイニシアティブを持ってもらうそうですね。
はい。相互理解面談では、私から質問することはほぼありません。冒頭で、「なぜあなたに立候補したのか」「今日は組織課題も事業課題もすべて知ってもらいます」「それをおもしろいと思えたらぜひ選考に進んでください」という3点を必ず伝え、この場の位置づけを明確にします。
ありのままの課題をさらけ出して、相手の方がそれをおもしろがってくれるかどうか、が重要なポイントです。そういう方は、鋭い視点の質問や、ビジネスの勘所をきちんと押さえたコメントをくださったり、課題に重なるご自身のエピソードを語ってくださったりするので、価値観のフィット感をより深く確認できます。そこでよい感触があれば、「私はあなたのことをもっと知りたいので、ぜひ選考に進んでくださいね」とまっすぐ伝えて終了するようにしています。
Kさんの場合は、面談中の反応の良さはもちろん、面談後の感想でも「楽しかった」と言ってくれたのが印象的でした。私自身もすごく楽しかったのをはっきり記憶しています。当初こそCaSyへの意向はそこまで高くなかったようですが、一次・二次とステップを踏んでいくうちに、だんだん好きになってもらったのだと思います。
ー 包み隠さずさらけ出すからこそ、それが刺さる人を嗅ぎ分けられるのですね。
そうですね。いくら最初にかっこつけても、もしこの先ずっと一緒にいることになったら、いずれバレることじゃないですか(笑)。だったら最初からさらけ出したほうがいいですよね。そして、「これは自分の課題だ、自分が解決したい」と思ってもらえたら儲けものですよね?あくまで、イニシアティブは候補者にあり、どんな課題に挑戦するかは候補者自身が決めるべきことです。だから、それを選べるような材料を提供することが、相互理解面談のミッションだと思っています。
ちなみにCxOクラス以外の採用ではまた別のスタイルで、質問などを適宜挟み込みながら、相手の想いを引き出すような面談もやっています。つい最近、CSのSVの方が採用できましたが、こちらは別の人事担当者が面談を実施して、会社説明をしつつ候補者の方のキャリアの軸や大切にしている価値観を探りながら、当社との重なり合いを確認してもらうような形でした。職種やレイヤーによって、面談のあり方を使い分けるのも大事ですね。
その人が大切にしている価値観を踏まえて、まっすぐに口説く
ー では、採用成功の最後の鍵となる、「口説き」についても聞かせてください。
「この人」と決めた方には、選考から内定承諾をいただくまでのメール、会食のお店の選び方や会話の内容など、すべての接点がその方へのメッセージだと思って、コンセプトメイクし、徹底的に準備してやりきることにこだわりを持っています。
たとえばKさんは、前述の通り、「高品質」「王道で奇をてらわない」ということを大切にされていましたよね。だからオファーの会食の際は、素材の良さを活かしきった、何もごまかしのきかない和食の美味しいお店を選びました。さらに、経営陣と「一枚岩」になってほしいことを伝えたくて、一枚板のカウンター席を選びました。そこで、「なぜあなたをこの場に呼んだのか」「あなたとどうなりたいのか」をまっすぐに伝えました。
CaSyは小さな会社で、彼が前職で携わっていたビジネスのように億単位の広告費を出したり、派手なことはできません。でも夢だけは大きな私たちに、魅力を感じて好きになってもらうには、これぐらいしか方法がないじゃないですか?
ー 相手が大切にしている価値観を踏まえ、徹底的にコンセプトメイクしているのですね。
他のケースだと、エンジニアで、「異なる職種や技術の間に入ってなめらかにする」ことに自身の存在価値を見出している方がいました。その思想を踏まえて、肉割烹とフレンチが融合したお店を選んだり。
また、経産省にイノベーターとして選出された方には、一緒に社会インフラを築きたいという想いを伝えたくて、東京の夜景を見渡せるレストランで、江戸の繁栄を築き上げた徳川家康の話をしたんです。江戸幕府が開かれる前は、東京は水浸しでしたが、大規模な治水によって関東平野を作り、大地を整え、インフラを築き上げて江戸を繁栄させました。「私は家事代行サービスを社会のインフラにしたいと考える時に、いつもこのことを思います」と。まだ水浸しの状態で、泥臭い仕事もたくさんあるだろうけど、ぜひあなたと一緒にこのビジネスを社会のインフラにしたいのです!とお伝えしました。
ー 感動しますね。その方だけに狙いを定めて、まっすぐ伝わるようにストーリーが設計されているんですね。
やはり採用は、「入りたい人」を選ぶのではなく、「採りたい人」を口説く活動だと思うんです。相手の叶えたいことやニーズに対して、「CaSy入社」がソリューションになるように、営業活動をするような感覚です。私は駆け引きが上手ではないので、愛すると決めた人にYesと言ってもらうために、一生懸命まっすぐに、正直に口説いているんです。
だからこそ、「LIBZ」のスキームは、CaSyの採用活動と相性がよかったんですよね。特にキャリアカルテは本当にドンピシャです。当社の一次選考でも幼少期の原体験を通じて、「何を大切にしているか」「何をどう選んできたのか」を紐解いていくのですが、キャリアカルテのように初期の段階でその人の価値観に触れることができると、話が早いんですよね。さらに、その価値観を当社の事業でどのように活かせるかを、一緒に描くことができる。だから最後の最後に、そこにフォーカスして口説くこともできるわけです。
もちろん、誰に対してもやっているわけじゃなくて、本当に価値観の重なりを感じられる人をピンポイントに口説いていますよ。でも「また会いたい」と言われてうれしくない人はいないはず!でも、あくまでもイニシアティブは、相手にある。これが非常に大事ですね。
「この人」を口説く採用なら、LIBZがおすすめ
ー「LIBZ」を他社におススメするとしたら、どのような企業におススメしますか?
これまでの話とつながりますが、大量採用ではなく「この人」と思える方の少数採用、つまり質の高い母集団を有する場所で「この人を口説く!」というスタンスで採用活動したい会社に向いていると思います。
当社は「LIBZ」のスキームに従い、その通りに活用して、採用に成功しました。サービスの仕組みや運用ルール、それぞれの入力項目などは、設計思想やコンセプトに合わせて、その実現が最大化するようにつくられていると思います。だからそもそものコンセプトに共感しているならば、使い手はそれを信じ、その通りに活用することで効果が最大化できると思いますね。
ー最後に、採用活動で試行錯誤している企業にメッセージをお願いします。
中途採用は欠員補充の要素があるので、どうしてもスキル重視になりがちだと思います。でも、その方の価値観と会社の行動原理が無理なくフィットするかどうかでサーチをして、合うと思った人を熱烈に口説いていくほうが、最終的には会社の成長に寄与する採用につながると思います。結果、それがいちばん効率がいいんですよね。
「LIBZ」はその点、出会う前から価値観の発露が確認できるので、確度の高い出会いが実現できます。そしてその後のステップも一つ一つ、確信に変えながら進めていけるスキームです。候補者に率直に等身大で向き合うことを前提にして、本当に口説きたいと思える人に出会う機会として、まずは指名採用に適したポジションで一度試してみるのはいかがでしょうか。
▼株式会社CaSy
https://corp.casy.co.jp/
インタビュー:高嶋 朝子 / 江成 充(株式会社LiB)
ライティング:高嶋 朝子(株式会社LiB)