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LiBzPARTNERS-STORY │「スタートアップ役員が語るキャリア奮闘記」 #転職のリアル(前編)

ハイキャリア女性の転職支援とダイバーシティ&インクルージョンを推進する転職エージェント「リブズパートナーズ」(現:LIBZ 幹部ドラフト)は、転職のリアルがわかる&キャリアの選択肢が広がるプライベートイベントを定期開催しています。今回は、2020年12月に開催したイベント #転職のリアル をご紹介します。

 

イベントのテーマは「スタートアップ役員が語るキャリア奮闘記」。このnoteでは、イベントでのトークを、前編、中編後編、と3回にわたってそのままお伝えいたします。

昨今の転職市場では、今後の成長が見込まれるスタートアップへの転職相談が、増えている⼀⽅で、カルチャーフィットなどについての不安から、意思決定をするまでに葛藤される方も多いのも事実だと感じています。私たちLiBzPARTNERSでは、スタートアップに転職後、どんなキャリアパスの形成ができるのか、リアルな情報が少なくイメージしにくいのも、その要因の一つではないかと考えました。

そこで、今回は、「スタートアップ役員が語るキャリア奮闘記」をテーマに、急成長中のスタートアップ2社でご活躍される女性役員2名をお招きし、それぞれのキャリアのリアルなストーリーをお聞きしつつ、スタートアップ企業の役員の目から感じられることについて赤裸々に語っていただきました。また、どんな方がスタートアップに向いているのか、これからスタートアップを志す方へのアドバイスもいただいています。

 

目次

・登壇者(50音順)
・キャリアを振り返る:モチベーションと年収の変遷
・宮内氏:キャリアの変遷
・職場での文化や価値観の違いをどう乗り越えたか
・宮沢氏:キャリアの変遷
・産休から復帰するときの乗り越え方

 

登壇者(50音順)

宮内 純枝 氏

株式会社SkyDrive 取締役社長室長

グロービス経営大学院卒。リクルート株式会社にて、編集、ブランディング、ネットマーケティング、提携、R&D等を担当。2014年、リクルートホールディングスのマーケティング部門のマネージャーに着任。カンヌライオンズ、グッドデザイン賞など受賞多数。2017年、空飛ぶクルマ開発の有志団体CARTIVATORに参画、その後、有志メンバーと供に起業。株式会社SkyDriveでは、取締役に就任。経営企画および広報責任者を担う。

宮沢 美絵 氏

ランサーズ株式会社 執行役員人事担当 

2006年よりカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社で、法人営業としてTポイントのパートナーを開拓。2011年より株式会社ミクシィにて新規事業や事業企画を担当。2014年9月、ランサーズ株式会社に参画。事業企画やマーケティングを担当。2017年12月よりプラットフォーム事業を兼務、2018年4月より同事業の執行役員を務める。現在、人事を担当。

モデレーター:別宮 洋平

株式会社リブズパートナーズ ハイクラスエージェント事業部長 

大学卒業後、大手金融業界に入社。その後リクルート株式会社へ転職。

大手企業~中小の採用コンサルタントとして活躍。

その後株式会社グロービスに転職し、大手企業の組織開発・人材育成に携わる。現在は、HR領域スタートアップの株式会社LiBでハイクラス人材領域の責任者を務める。経営学修士(MBA)修了。

 

 

キャリアを振り返る:モチベーションと年収の変遷

別宮:

みなさま、こんにちは。本日のモデレーターを務めさせていただく別宮です。本日も多くの方にご参加いただき、ありがとうございます。

(本日のセミナーテーマとお二人の略歴を紹介した後)ここからは、お二人にマイクをお渡ししていきたいと思います。事前にお二方には、これまでのキャリアを振り返るチャートをご用意いただきました。上半分が、これまでのキャリアの中で、モチベーションの変遷がどうだったか。下半分が、年齢と、年収の変遷です。無茶苦茶生々しい情報で、なかなか他ではない情報ですね、笑。

では、自己紹介代わりという形で、これをそれぞれ簡単にご説明いただいて、それぞれに私のほうから突っ込みを入れさせていただきます。では、まず宮内さんの方から。

 

宮内氏:キャリアの変遷

宮内:

株式会社SkyDriveの宮内と申します。ご参加の皆様ありがとうございます。このチャート、私は「成長している実感」に置き換えてプロットしています。

私は、新卒でリクルートに入社しました。マーケティング部に配属されて、結構楽しんでやっていました。意外と後から振り返ってみて自分がどういう場所にいたのかというのは分かるものでして、私の場合は、簡単に言えばお金を稼ぐ事業部から予算を預かって、広告宣伝を行っていた、雑に言えばコストセンターだったんですね。

会社の実業団のチアリーダーなど色々忙しかったこともあって、その部署にずっといました。チアリーダーを引退すると同時に自分で行きたい部署を探して手を上げて異動したんですね。それが34歳でした。自分を奮い立たせないとと思って、「じゃらん」という旅行事業に行きました。そこで、稼ぐ事業というのはこんなに面白いんだと思って、モチベーションが上がります。時代はネットの時代になっていて、会社もそこに人材を集中させていた時期で、本当に優秀な人たちの中で、最高に楽しく仕事をしました。その後、一定のやり切った感があったというのと、家族の事情で名古屋に行かなくてはならなくなり、リクルートとトヨタ自動車が作ったジョイントベンチャーがあって、これは面白そうだと、希望して出向しました。すると、文化の違いに直面したというのか、今までの自分が全く通用しなかったこともあり、モチベーションが下がっています。時限付き出向の満了後にリクルートに戻り、所属した組織が解散になったところで、ちょうど起業の話があったので、乗っかったという感じです。

年収は、私の軸ではないのですが、頑張っていたらじわじわ上がったという感じです。一番大きい変化は現職に移った時です。創業メンバーは、自分たちで自分の給料を決めることができるものの、後から入ってくる人たちに創業メンバーのスタンスを見せるために、少し低めにするべきだねという話し合いをし、低く設定したこともあり、現職に入社時に年収は下がっています。

 

職場での文化や価値観の違いをどう乗り越えたか

別宮:

ありがとうございます。最も大きな変化、45~46歳のタイミングで年収をガクッと下げて、なぜ株式会社SkyDrive様にジョインしたのか、は後で聞くことにして、36~40歳のモチベーションのアップダウンが激しい時は、出向先との文化の違いに直面、というところでした。当時、がっかりするところもあった中でも頑張り続けた工夫はどんなところでしたか。

宮内:

最近の方はもっと短いタームで転職することもあると思うのですが、私はリクルートでの勤務が長かったせいで、リクルートの文化が正で、それ以外の世界を知らなかったのかなと思います。文化の違いを頭で理解することで、ちょっと消化が進んだ部分がありました。

例えば、リクルートでやっていたインターネットの世界では、70点でローンチするのが普通で、その後でPDCAを回していけばいいと考える。一方で、JV相手のトヨタ自動車から来た方は、命にかかわるものを作っているので、100点でないと世にリリースしてはならないと考える。お互いの背景のロジックが理解できていないときは、なんてチャレンジ精神がないんだろうとがっかり思ったのですが、お互いの背景を理解すると、それぞれのロジックがあるからこそ意見が食い違うんだな、と頭で整理ができ、消化できました。しかるべきサービスのところにしかるべき文化が生まれるというのが理解できたのでした。

別宮:

相手が置かれている環境やなぜそう思うのか、というところを理解を深めていくと、そういう違いを許容して尊重できるようになるということでしょうか。

同じようなことは、仕事をしている中で、起こることかもしれませんね。異動とか、転職とかだけでなく、上司が変わったとか、相手と価値観合わないなということって、結構頻繁に起こることだと思うのですが、宮内さんのおっしゃった、相手を理解し同調する必要はないものの尊重する姿勢、というのは大事かもしれませんね。

もっと、色々伺いたいところですが、次は宮沢さんの方に移りたいと思います。宮沢さん、お願いします。

 

宮沢氏:キャリアの変遷

宮沢:

ランサーズの宮沢と申します。本日はご参加いただきありがとうございます。私は、新卒でカルチュア・コンビニエンス・クラブに入りまして、TカードのToBの開拓営業に配属されました。その事業では、新卒配属は初めてだったので、すごくかわいがられて、大きい企業でもありましたので、すくすくと育っていきました。すくすくと、給料も上がっていきました。そんなに辞める必要もなかったのかなと思いますが、ちょうど、当時SNSがはやっていて、Tポイントカードの購買履歴を見てデータベースマーケティングをしていた身からすると、SNSって魅力的だなと思い、株式会社ミクシィに入社しました。渋谷にキラキラしたオフィスがあって、受付もキラキラしていて、感動したことを覚えています。ただ、そのころからフェイスブックやツイッターが隆盛となり、売上が減少し、入った新規事業も解散になって、自分はジョイントベンチャーに出向になりました。その時、スタートアップの洗礼を受けて。まず、朝誰も来ないとか。笑。でも、結果を出す、というカルチャーが面白いなと思いました。その後、出向を終え、別会社に転籍になったので、改めて自ら会社を選びたいなと思い、ベンチャーを中心に探し、ランサーズに出会いました。ランサーズに入社するときに、私の年収は半分になっています。

私も年収にこだわりが無かったのもありますし、わりと楽観的だったので、まあすぐ上がるでしょ、と思って、安易な気持ちで入りました。でもそんなに安易には上がりませんでしたけど。笑。考えていたのと違ったのはありましたけど、色々な紆余曲折の経験をさせてもらったのでよかったなと思っています。

モチベーションのグラフは、二つ谷があります。すごく厳しい上司に詰められまくるという分かりやすい日々がひとつと、32歳くらいで役員就任したタイミングで第1子を妊娠出産し、3か月で復帰したものの、割と復帰のタイミングを自分を過信して、うまく組織をリードできず大変だった時期があったのが二つ目です。でも、今は楽しく仕事をしています。

 

産休から復帰するときの乗り越え方

別宮:

ありがとうございます。出産され復帰されたときに、初めてのポジションでうまくいかず大変だった、とありますが、どんなことがあって、どんな工夫をして乗り越えたか教えてもらえますか?

宮沢:

私の復帰のタイミングは、ちょうど会社がIPOする時期だったので、仕事自体が復帰前後で様変わりしていて、自分に求められることが変わっていたことと、第一子あるあるだと思うんですけど、早く復帰しないとポジションがなくなっちゃうかも、という焦りがありました。かなりいろいろなことを調整して復帰したんですけど、体が追い付かなくて、頭が回らなくて、その中で今までと違う仕事で、正直タスクを回すので精一杯だったのが半年ありました。その時の乗り越えるための工夫としては、自分ができると過信せずメンバーに頼る。メンバーに先に期待するということなんだな、と思いました。このメンバーならミッションを完遂できる、と期待して渡してあげると、うまくやってくれたり。チームマネジメントのイロハを、体で覚えて乗り越えたところがあります。

別宮:

復帰後、焦るほど、自分でやらなきゃと思うけど、抱えるとさらにあふれるかもしれませんね。そうなると、負のスパイラルになりますね。

ポイントはさっきおっしゃった、素直に人に頼るということかもしれませんね。マネジメントサイドならメンバーに頼るということかもしれませんし、メンバーサイドなら、上司や同僚や後輩に遠慮なく頼るのがいいのかもしれませんね。

では、ここからは、質問形式で、お2人のお話しをリアルに聞いていきたいと思います。

中編に続く)

 

 

(この記事は2021.03.12に公開されたものです)

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